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榎枝 幹男; 古作 泰雄; 秦野 歳久; 黒田 敏公*; 三木 信晴*; 本間 隆; 秋場 真人; 小西 哲之; 中村 博文; 河村 繕範; et al.
Nuclear Fusion, 43(12), p.1837 - 1844, 2003/12
被引用回数:101 パーセンタイル:93.45(Physics, Fluids & Plasmas)本論文は、高い経済性を有する核融合発電プラント用ブランケットの設計と開発に関するものである。高い経済性と実現性の双方を有する発電ブランケットとして、超臨界圧水冷却方式の固体増殖ブランケットの概念設計を明らかにした。最重要設計項目として、モジュール構造の核特性,熱機械特性に関し基本的な成立性を示した。また、発電システムとして41%以上の発電効率を有することを示し、本方式の経済的な魅力を明らかにした。また、構造体製作技術開発の成果としては、実機構造を模擬する第一壁パネル試験体を用いて、原型炉で想定している最高熱負荷1MW/m に相当する加熱試験を行い、試験体が母材と同等の熱疲労寿命を持つことを実証した。さらに、ブランケット熱設計の要となる増殖材充填層の有効熱伝導率研究に関しては、湿式法で製造したLiTiO を用いて、充填層の有効熱伝導率を明らかにし、裕度のある設計を可能とした。
榎枝 幹男; 小原 祥裕; Roux, N.*; Ying, A.*; Pizza, J.*; Malang, J.*
Fusion Technology, 39(No.2 Part.2), p.612 - 616, 2001/03
増殖ペブル充填層の有効熱伝導度は固定増殖ブランケットの設計において重要なパラメータである。IEAの国際協力協定のもとで、固体増殖グループのサブタスクとして、熱線法を用いた各国の候補増殖ペブルを実際に用いた有効熱伝導度の測定を行い、タスクを終了した。測定には、CEAのLiTiO,LiZrO、FZKのLiSiO、日本のLiOをサンプルに用い、425から750までの温度依存データと、圧力0.001MPaから0.2MPaまでの圧力依存データを取得した。えられたデータは過去のデータと一致し、幅広い条件ではじめてデータを精度よく明らかにした。また、得られたデータから、推定式の重要パラメータを決定した。これによって未測定の有効熱伝導度を精度よく推定することが可能となった。
手島 正吾
JNC TN8400 2000-029, 54 Pages, 2000/10
本報告は、著者が核燃料サイクル開発機構において平成10年4月から平成12年10月までに博士研究員として行った研究内容をまとめたものである。本報告は、3つの内容に分かれる。1)相対論的スピン密度汎関数法に基づくバンド計算法、この計算法をも用いて解析した、2)強磁性体UGe2、3)反強磁性体UO2の電子物性に関する研究である。1)相対論的バンド計算(RBC)法 s、p、d電子系物質を扱うバンド計算法は、基礎面、応用面ともに十分な研究が行われている。しかし、アクチニド化合物のような磁性5f電子を扱うバンド計算法は、非常に複雑でありかつ相対論的アプローチが必要とされるために、その研究が遅れている。本研究では、磁性5f電子に有効な相対論的バンド計算法を定式化した。2)UGe2の電子物性 UGe2は強磁性体であることから、理論による解析が未だ十分に行われていない。そこで、本研究で開発した相対論的バンド計算法を用いてUGe2の電子状態とフェルミ面を解析した。その結果、UGe2は5f電子特有の重い電子系であることが分かり、実験結果と一致する結果を得た。3)核燃料UO2の電子構造 核燃料物質である反強磁性UO2の熱伝導度の振る舞いを把握することは重要である。しかし、熱伝導度に影響を与える電子構造の計算が、相対論的効果を考慮した形では、未だ行われていない。そこで、RBC法を適用し、UO2の電子構造の詳細を明らかにした。
水田 俊治; 上平 明弘; 鵜飼 重治
JNC TN9400 2000-048, 28 Pages, 2000/04
高速増殖炉の被覆管材料としてのODSフェライト鋼は、耐照射性に優れるフェライト-マルテンサイト鋼中に酸化物(Y2O3)を微細に分散させて高温強度を改善しているため、燃料集合体の高燃焼度化とプラントの高温化を同時に達成可能な材料として期待されている。実用化戦略調査研究において、基準プラントである「MOX燃料Na冷却炉」の燃料被覆管にODSフェライト鋼を適用した場合の設計研究を供するため、ODS鋼フェライト鋼について、最新データを基に以下の材料特性・強度関係式を暫定的に策定した。(1)設計クリープ破断応力強さ(2)クリープ強度補正係数(環境効果)(3)外面腐食(Na中)(4)内面腐食(MOX燃料中)(5)熱伝導度
山中 伸介*; 阿部 和幸
JNC TY9400 2000-004, 78 Pages, 2000/03
高燃焼度時における高速炉用MOX燃料の挙動を把握するための基礎的研究を実施し、以下の結論を得た。プルトニウムをセリウムで代用した高速炉用模擬MOX燃料(U0.8,Ce0.2)O2にFPとして希土類元素及びジルコニウムを固溶させた模擬燃焼MOX燃料、(U0.8-yCe0.2My)O2x[M:NdorZr](0y0.13)の熱伝導度を評価し、添加元素濃度依存性、温度依存性を明らかにした。(U0.8-yCe0.2My)O2x[M:NdorZr](0y0.13)の熱伝導度を(U0.8,Ce0.2)O2の熱伝導度と添加元素濃度を用いた近似式で表現することができた。模擬燃焼MOX燃料、(U0.8-yCe0.2My)O2x[M:NdorZr](0y0.13)の機械的特性を試料中の音速とビッカース硬度から評価し、試料の弾性定数、ビッカース硬度及び降伏応力が添加元素濃度が増加するにつれて減少することを明らかにした。分子動力学法を用いて燃料の物性予測を、多相平衡計算プログラム"ChemSage"を用いて高燃焼度時における燃料中のFPの存在化学形態の予測を行なった。いずれの方法でも系のみを取り扱っただけであるが妥当な結果が得られた。
荒井 康夫; 岩井 孝; 中島 邦久; 白井 理; 鈴木 康文
Proc. of the Int. Conf. on Future Nuclear Systems (GLOBAL'99)(CD-ROM), 8 Pages, 1999/00
原研における窒化物燃料サイクルに関する実験研究の最近の成果を紹介するものである。照射挙動に関しては、JMTRにおける照射試験により基礎的な燃料挙動を把握したのに引き続き、2本の(U,Pu)N燃料ピンが高速実験炉常陽で現在照射中である。約4.7%FIMAの燃焼度達成後、11年度後半からは照射後試験の開始が予定されている。高温特性に関しては、アクチニド窒化物相互の固溶体以外に、ZrNあるいはTiN等の不活性母材を含む窒化物燃料の調製条件の確立及び熱伝導度の評価等が行われた。また、新規装置を用いた熱容量及び熱膨張の測定に着手した。溶融塩電解に関しては、塩化物共晶塩中におけるNpN及びPuNの電解試験が行われ、電気化学測定により陽極溶解機構を調べるとともに固体陰極においてアクチノイド金属の回収に成功した。
荒井 康夫; 中島 邦久; 鈴木 康文
Journal of Alloys and Compounds, 271-273, p.602 - 605, 1998/00
被引用回数:16 パーセンタイル:68.02(Chemistry, Physical)ネプツニウムを含む一窒化物固溶体、(U,Np)N及び(Np,Pu)Nの熱伝導度を、740-1630Kの温度範囲で測定した。試料には、炭素熱還元で調製したUN,NpN及びPuNを機械混合の後、窒素-水素混合気流中で加熱して固溶体化したものを用いた。熱伝導度は、レーザフラッシュ法で測定した熱拡散率、文献値から推定した比熱容量及び試料の形状密度から求めた。測定温度範囲において固溶体試料の熱伝導度は、UN等と同様に温度とともに漸増する温度依存性を示した。また、組成依存性についてはUN側からPuN側に向けて減少し、とりわけ(U,Np)NではUNリッチ領域、また(Np,Pu)NではNpNリッチ領域で熱伝導度が大きく減少する傾向を示した。この熱伝導度の減少は、主に電子伝導の寄与の減少によるものと推定した。
鈴木 康文; 荒井 康夫
Journal of Alloys and Compounds, 271-273, p.577 - 582, 1998/00
被引用回数:39 パーセンタイル:85.51(Chemistry, Physical)アクチノイド単窒化物の熱物理及び熱化学的性質について最近の成果を中心にまとめて解説する。UN,NpN及びPuNの熱伝導度は、温度とともに徐々に増加する一方で、電子の寄与の低下によりアクチノイドの原子番号の増加とともに低下する。固溶体については、それぞれの単窒化物と同様の温度依存性を示し、中間の値をもつ。また、クヌーセン法によりUN,NpN及びPuNの高温質量分析を実施した。主な蒸気種はアクチノイド金属と窒素である。UN及びNpNは金属相を生成し、純金属に近い蒸気圧を示すのに対してPuNは斉合蒸発を起こす。その他、熱膨張及び比熱容量についても述べる。
中村 仁一
核燃料, (29), P. 15, 1998/00
本セミナーは、高燃焼度燃料の燃料挙動に重要な影響を与える燃料の熱特性(熱伝導度、熱拡散率、熱容量、ギャップコンダクタンス等)の燃焼度伸長にともなう劣化について討議し、これらの結果をいかにモデルに反映していくかを討議する会議であり、1998年3月3日-6日にフランスのカダラッシュで開催された。会議は次の6つのセッションと3つのパネル討議からなり計25件の報告があった。オープニングセッション、セッション1:熱伝導度データ、セッション2:熱伝導モデリング、パネル1:熱伝導度・解決済みの問題と未解決の問題、セッション3:燃料/被覆管ギャップモデル、パネル2:ギャップの変化と熱伝達、セッション4:実験データベース、セッション5:燃料解析コード開発の動向、パネル3:今後の研究と実験手法について。本報では、会議の概要を紹介している。
中村 仁一; 内田 正明; 上塚 寛; 古平 恒夫; 山原 武; 菊地 章
Proc. of Int. Topical Meeting on LWR Fuel Performance, 0, p.499 - 506, 1997/03
ハルデン炉で、燃焼度63MWd/kgUまで照射された、UOペレットの熱拡散率の測定を室温から1794Kにかけてレーザーフラッシュ法を用いて行った。高燃焼度UOの熱拡散率は、未照射UOに比べて室温で半分以下に低下していたが、その差は温度の上昇とともに減少し、両者は、約1800Kでは、ほぼ一致した。また、測定最高温度を次第に上昇させながら測定を繰り返したところ、800K-1200Kにかけて熱拡散率が次第に上昇する傾向を示した。これは照射損傷の回復にともなうものと推定された。回復後の熱拡散率は、固溶FPを加えた模擬高燃焼度燃料SIMFUELの値よりやや小さい値を示した。熱拡散率の測定値は、試料毎にばらつきを示したが、この試料間の熱拡散率の差は、試料密度の差で大部分説明できることが明らかになった。
中野 純一; 山田 禮司
Proc. of 2nd IEA/JUPITER Joint Int. Workshop on SiC/SiC Ceramic Composites for Fusion Applications, p.64 - 67, 1997/00
炭化ケイ素(SiC)は、低放射化、及び高温での優れた機械的性質を有し、原子力環境での用途が期待されている。そのため、核融合炉のブランケット及び第一壁用としてSiC複合材料のさまざまな作製法が研究されている。化学気相浸透法(CVI)により作製されたSiC/SiC複合材料がその特性評価のために国内の各研究機関に配布された。原研においては、そのSiC/SiC複合材料の室温から1350Cまでの熱拡散率をレーザーフラッシュ法により測定し、熱伝導度は熱拡散率、比熱、密度から計算した。その値は密度とともに増加した。また、試料の内部状態を調べるためにSEM観察を行い、試料内に多くの気孔が存在することが確認された。これらの気孔を減少させることができれば、熱伝導度はさらに向上すると考えられる。
荒井 康夫; 中島 邦久; 鈴木 康文
Proc. of 4th Int. Information Exchange Meeting on Actinide and Fission Product Partitioning and Transm, 0, p.347 - 357, 1997/00
ほぼ全組成領域をカバーする、ネプツニウム・プルトニウム混合窒化物固溶体を調製し、その性質を調べた。固溶体試料はそれぞれ炭素熱還元法で調製したネプツニウム窒化物とプルトニウム窒化物の混合成型体を、窒素-水素混合ガス気流中において2023Kで熱処理することにより調製した。室温でのX線回折により単相の固溶体形成を確認するとともに、格子定数の組成依存性を調べた。また、高温質量分析法による蒸気圧測定、レーザーフラッシュ法による熱拡散率測定を行い、気相中のNp(g)及びPu(g)分圧の温度依存性ならびに組成依存性や、熱拡散率から求めた固溶体試料の熱伝導度等について新しい知見を得た。
荒井 康夫; 岩井 孝; 中島 邦久; 鈴木 康文
Proc. of Int. Conf. on Future Nuclear Systems (Global'97), 1, p.664 - 669, 1997/00
一昨年ベルサイユで開催されたGlobal'97以降、原研で進められてきたアクチニド窒化物燃料の実験研究の成果を紹介するものである。燃料特性評価においては、U及びPu以外にNpを含む窒化物固溶体に着目し、それらの熱伝導度の温度依存性及び組成依存性を明らかにするとともに、高温質量分析法を用いて蒸発挙動を測定した。照射挙動解析では、JMTRにおいて燃焼度5.5%FIMAまで照射した燃料ピンの照射後試験結果から、その健全性を明らかにするとともに、FPガス放出やスエリング等について新たな情報を得た。また、乾式再処理への適用の分野では、新規に設置したグローブボックス内の溶融塩電解試験装置を用いて、今後の試験を進める上での基本となる、LiCl-KCl共晶塩中でのPu及びNpの電析挙動を調べた。
中村 仁一; 古田 照夫; 助川 友英
HPR-347, 12 Pages, 1996/00
ハルデン炉で63MWd/kgUまで照射されたUOペレットの熱拡散率を室温から1800Kにかけてレーザーフラッシュ法により測定した。高燃焼度UOの室温での熱拡散率は、未照射UOの熱拡散率に較べて半分以下に低下しており、両者の差は温度の上昇とともに小さくなる傾向を示した。温度を上昇させながら測定を繰り返したところ、高燃焼度UOの熱拡散率は、800Kから1200Kにかけて次第に上昇する傾向を示した。これは照射損傷の回復によるものと推定される。また、試料間で熱拡散率のばらつきが見られたが、これはペレットのミクロ組織(試料密度、金属FP等)の影響であると推定された。測定された熱拡散率は、模擬高燃焼度燃料SIMFUELの値よりやや小さい傾向を示した。また、測定された熱拡散率から評価した熱伝導度の燃焼度による相対的な低下の割合は、ハルデン炉の燃料中心温度測定データからの評価値と良い一致を示した。
倉沢 利昌; 高津 英幸; 佐藤 聡; 森 清治*; 橋本 俊行*; 中平 昌隆; 古谷 一幸; 常松 俊秀; 関 昌弘; 河村 弘; et al.
Fusion Engineering and Design, 27, p.449 - 456, 1995/00
被引用回数:7 パーセンタイル:59.17(Nuclear Science & Technology)核融合実験炉(ITER,FER)で増殖ブランケットとして、セラミックスの層状構造ブランケットが採用されている。このセラミックスブランケットの設計および研究開発に関する最近の原研での研究成果を発表する。ブランケットの設計ではブランケット第1壁の冷却チャンネル中の冷却水停止時の温度上昇および熱応力の解析をおこなうと共に、冷却水の圧力損失の評価をおこなった。ブランケット設計を支援するR&Dではブランケット筐体の製作およびHIP接合部の機械試験を行い、実機製作への見通しを得ると共に有意義なデータベースを取得した。ペブル(Be)充填層の熱伝導度測定および増殖セラミックスの熱サイクル試験、構造材と増殖材の両立性試験後の引張試験データなどを評価解析して発表する。
荒井 康夫; 鈴木 康文; 半田 宗男
Global 1995, Int. Conf. on Evaluation of Emerging Nuclear Fuel Cycle Systems,Vol. 1, 0, p.538 - 545, 1995/00
アクチノイド窒化物は、優れた熱的、核的特性から高速炉用新型燃料及びTRU消滅のための専焼炉燃料の候補として着目されている。本稿では、原研で進めてきた同燃料のR&Dについて要約した。高純度のウラン、ネプツニウム、プルトニウム窒化物及びそれらの固溶体試料は、酸化物の炭素熱還元により調整し、物性測定や照射試験に用いる燃料ペレットの焼結挙動についても検討を加えた。熱伝導度、蒸気圧等の高温物性値の温度及び組成依存性を明らかにするとともに、照射挙動把握と燃料健全性実証を目的とした照射試験も並行して実施している。さらに、アクチノイド窒化物の新しい燃料サイクルへの適応性を検討するための、溶融塩中での電解試験についても簡単に触れた。
鈴木 康文
日本原子力学会誌, 37(10), p.919 - 921, 1995/00
「軽水炉燃料開発の新しい展望」と題する報告書のなかで燃料物性に関する節を分担執筆するものである。プルトニウム利用の観点から、軽水炉燃料組成での燃料物性を概略する。主に熱伝導度を中心に新しい話題をとり上げた。
松尾 秀人; 長崎 正雅
Journal of Nuclear Materials, 217, p.300 - 303, 1994/00
被引用回数:1 パーセンタイル:17.88(Materials Science, Multidisciplinary)2種類の二次元炭素繊維強化複合材料をJMTRで最高1.9810n/m(E29fJ)まで640~1070Cで中性子照射し、熱拡散率の変化を調べた。熱拡散率は照射によって低下し、特に照射量の低い時に大きく減少し、照射量の増加とともに徐々に低下する傾向が認められた。照射前の値に規格化した相対的な熱拡散率の変化は、測定温度の低い領域で大きくて、温度が高くなるにしたがって小さくなり、また照射量の増加とともに大きくなる傾向を示した。熱拡散率と密接に関連している熱伝導度の変化についても考察した。
荒井 康夫; 岡本 芳浩; 鈴木 康文
Journal of Nuclear Materials, 211, p.248 - 250, 1994/00
被引用回数:15 パーセンタイル:85.23(Materials Science, Multidisciplinary)ネプツニウム窒化物(NpN)の熱伝導度を、740~1600Kの温度範囲で評価した。熱伝導度は、真空中でレーザーフラッシュ法により測定した熱拡散率の値から求めた。熱伝導度の評価の際に必要な比熱容量については、温度の二次関数で与えられる経験式を用いて推定した。熱拡散率測定用の試料には、炭素熱還元法により調製したNpNを約90%T.D.まで焼結したペレットから、円盤状に切り出したものを用いた。得られた熱伝導度の値は、測定温度範囲内で温度と共にゆるやかに増加する温度依存性を示した。またMaxwell-Euckenの式を用いて100%T.D.に規格化した熱伝導度の値は、報告されているUNとPuNの熱伝導度の中間的な値を示した。
荒井 康夫; 森平 正之*; 大道 敏彦
Journal of Nuclear Materials, 202, p.70 - 78, 1993/00
被引用回数:30 パーセンタイル:91.53(Materials Science, Multidisciplinary)窒化物燃料中に混入する不純物酸素が種々の燃料特性に与える影響を調べた。始めに炭素熱還元法により、通常量の酸素(0.1~0.2wt.%)を含有するウラン窒化物並びにウラン・プルトニウム混合窒化物を合成した。次に、これらに酸化物粉末を添加した上で焼結することにより、~0.3,~0.6及び~1.0wt.%の酸素を含有するペレットを調製した。化学分析、X線回折、顕微鏡組織観察により、燃料の化学組成、不純物酸素の挙動などを調べた。さらに、レーザーフラッシュ法により熱拡散率を測定し、試料の熱伝導度を求めた。これらの結果から、添加された不純物酸素の大半は第二相の酸化物中に存在すること、不純物酸素の混入によりマトリクスの結晶粒の成長が著しく抑制されること、~1.0wt.%の酸素の混入により試料の熱伝導度は約10%減少することなどの知見が得られた。